投資をやっていないと縁もゆかりもないであろう「投機」という言葉。投資をやっているといつかめぐり合う「投機」という言葉。経済系のニュースで「投機マネーが流れ込んで・・・」みたいなことが言われていたりもするけど、大抵は気にも留めないであろう「投機」。
「投機も投資も一緒じゃね!?」のような意見も多くあるし、「儲かればどっちでもよくない!?」という話にはなっちゃうんだけど、とりあえず知っておいてもいいんじゃない?投資と投機の違いってやつを。
その概念の違いを知ってから、「どっちでもいい!」って判断すればいいさ!知らないことが多いほうが、世の中難しくなるってもんよ!
ここが違う!投資と投機
投機はギャンブルと同じだと言われるんですよね
投資家は投機家を毛嫌いし、投機家は投資家を気嫌いする。まあ、どっちも「自分が正しい!」と思い込みたいだけなんだろうから、そんな抗争は置いておくとして、両者はそれだけ思想の異なる人たちということで片付けよう。
投資は、投資。りっきとした経済活動。そういう主張。投機はギャンブルだという主張。これが一般的な意見かな?
ウォーレン・バフェットはこう語る
株式投資で世界有数の大金持ちになったとされているウォーレン・バフェット。世界最高の投資家。凄いおじいちゃん。そんな彼は、「投資と投機の違い」について、こんな言葉でまとめている。
あなたが投機家なら、株価がこれからどうなるかを見るだろう。
あなたが投資家なら、企業がこれからどうなるかを見るだろう。
株価の決定要因は、ファンダメンタルズ分析によって導かれる企業価値も関係していると思われる。これが全てでもないけどね。だから、単純に株価だけを追いかけるのは、理屈上おかしいって話がこれ。
株を買うってことは、企業に出資する(お金を託す)ってこと。そのとき、企業の将来性とか見ないで、株価だけ、チャートだけで判断する。企業に投資するっていうのは、そんな単純じゃないだろうよ!って話。
確率的に考えるとこういうことらしい
確率論、統計学。これらは時に真実を見せてくれる面白い分野!そんな統計学を教える大学教授、小島寛之さん。この人は統計学・確率論の本をそこそこ出しているので、読んだことがある。そこで学んだことがこれ。
投機っていうのは、お金の奪い合い。価格変動狙い。確率的には、何が起こってもそんなに不思議じゃない世界。つまり、「たまたま」もかなりある。
一方、投資っていうのは、新しく生み出される富を受け取る。家賃収入や株の配当みたいに。こういうのは、受け取れる確率が高い。そういう観点から見ると、投資のほうが健全とも取れる。
投機じゃなくて投資でもそうだけど、結構「たまたま」っていうことがある。それを実力と勘違いしてしまうのが人間。悲しきかな。
確率的に考えると、投機はほぼ「たまたま」ってこと。たまたま儲かったり、たまたま損をしているだけ。どっかの誰かさんが、そこに「法則」という概念を持ち出して、ややこしくしているだけ。
ある研究によると、将来の市場の動きを予測することなんて不可能なんだとか。何を信じるかは、あなた次第!
投資は確実性が高いの!?
投資はちょっと違う。価格変動なんかは、やっぱり「たまたま」な部分がほとんど。でも、配当をもらえる株を買えば、高い確率で額面通りの配当をもらえる。不動産を買えば、契約通りに家賃収入が入る。高い確率で。
この点は、「たまたま」は関係ないと思いません!?投資には、「狙い通り」っていうのが適応される。投機は、「狙い通り」のつもりでも、「たまたま狙い通りになっただけだよーだ!」ってことになる。確率的に見ると。
短期的にたまたま大儲けしたいなら投機のほうがいいだろうけど、リスクは高い。「将来設計」的な資産運用をしたいなら、投資をしたほうがいいように思える。面白いな、確率的思考!
株は長期的に持たないと投資にならないってさ
どんな投資の本でも語られているのが、「株は数年という長いスパンで保有しないと投資にならない」って話。市場はノイズが多いので、正しい価値判定がされるには時間が掛かるのと、配当をしっかりもらうには長期間保有するのが無難って話からそうなるんだろうよ。
これを考えると、「株はギャンブルだ!」という主張も、「株は投資だ!」という主張も正しいということになる。
「自分が正しい!」と叫びたいのはわかるけど、もっと冷静に本質を見ようぜ!というときもあるんでしょうな、世の中には。