日本人には「正社員こそ安定している!正社員じゃなきゃダメだ!」という不思議な偏向志向がありますけど、あれってどうなんですかね?
中には、「個人事業よりも正社員!会社作るよりも正社員!正社員じゃないなら将来ないでしょ」みたいな人もいるので、イマイチ理解に苦しむことも。
正社員が安定してるって?
正社員は、まあ、フリーターや派遣に比べれば安定してるでしょ。簡単には解雇できないし、給料もそこそこ高い場合が多いし、ボーナスもあるし、退職金も、厚生年金もしっかりしてる。中には、フリーターよりも稼げない正社員もあったりするので困りものですが。そのくせ、就業時間が異常なほど長くて、自由時間が全く取れなかったり。
正社員でも、選ぶ会社次第ってことですよね。正社員なら何でもいいと思っているなら大間違い。正社員なら何でもいいじゃなくて、待遇のいい会社、将来性のある会社の正社員になることに価値がある!ってとこでしょうか。
正社員にリスクがないわけじゃない!
正社員が安定してると思っているなら、正社員が抱えるリスクってやつを羅列してやろうじゃありませんか!正社員のリスクは、
- リストラ
- 減給
- 会社の倒産
- 自身のケガ・病気による離脱
この辺がメイン。正社員になれば将来絶対安心!ってわけでもない。年金もこれから減っていくようですし、前途多難。会社なんて、何十年の生き残っているのが奇跡みたいなものなので、いつ倒産してもおかしくはない。売上不振などの理由で人件費カットが決定すれば、使えない人材はリストラされる。退職金は出るでしょうが。
リストラまではいかなくても、減給の可能性もあるし、自分自身がケガなどで働けなくなる可能性もゼロじゃない。
安定って何なのさ?
会社に雇われ、好きか嫌いかは関係なく仕事に明け暮れる。中には、家族との時間すら犠牲にしてしまう人も多い。家を買えば、何十年もの間、住宅ローンの返済に苦しむ。正社員でいても、高い給料をもらえなければ、とても「安定してる」とは言えないんじゃないの?と言いたい。
それに、安定なんて楽観主義。社会はそんなに甘くない。ビジネスは相対的なものなので、何が起こるかはわからない。何が起こるかわからないからこそ、あらゆる事態に備える必要があるはず。それなのに、「安定」という幻想に満足していると、何もしない。
何もしないから、何もできなくなる。いざというときに困る。社会は、流動的。現状に居座り続けるなんて、実は非常に難しいことかもしれないんです。
キャリアが役に立つことも
自分の会社が潰れようが、その業界での経験があれば、同じ業界の別の会社に移籍することもできるでしょう。その点で、いろんな経験をさせてもらいやすい「正社員」というポジションは、安定に近づけるかも。何かしらの財産を持っていないと、社会で生き抜くことは難しい。自分の財産は価値を生み出し、その価値を認めてもらえれば、仕事をする場所はいくらでもある。
なんでこんな偏向志向が!
個人事業でその辺の正社員よりも稼いでいる人はいる。社長は稼ぐ。そもそも、起業家がいないと正社員なんてポジションも生まれない。なのに、正社員絶対主義というおかしな思考の持ち主が多い日本。なぜだろう?
「金持ち父さん貧乏父さん」って本に書かれてたように、やっぱり、「子供の頃からそう教えられてきたから」なのかな。昔は、それが正しい考えである確率が高かった。でも、今は違う。時代が違う。生き抜く術を自分で模索していかないと(その上で正社員を選ぶのなら問題ない)、社会で生きていけないかもしれない。
会社に入れば、会社が何とかしてくれる時代は終わったのかも。それなら、いつまでも「正社員なら大丈夫」みたいな幻想を持つような他人任せ主義をやめて、自分の面倒を自分で見る精神を持つことは、これから必要になってくるとも考えられるわけで。
「正社員だからいい!」じゃなくて、自分の頭で考えろってことですかね。