リスクの意味とは?投資をするなら絶対に知っておくべきこと

投稿日:2016年4月22日 更新日:

投資をやっていると、やたらと「リスク」という言葉を目にする。リスクの意味とは何なのか?

統計学の勉強をしたり、証券アナリストの勉強をしているうちに、リスクの意味が人に説明できるくらいは理解出来てきたので、ここに記しておく。

専門家的にリスクの意味を述べるとこうなる

リターンが確定していないことがリスク

これ。こういうこと。証券アナリストの勉強をしていたら知ったのがこれ。「リターンが確定していないことがリスク」というやつ。リスクの意味を考えていた僕にとっては、一発でピンと来た一言だった。

損失の可能性があることだけがリスクではない

一般的に、「損をする可能性があること」がリスクと考えられている。失敗する可能性があると言うか。証券アナリスト的に言うと、「損失の可能性があることもリスクだし、利益が確定していないこともリスク」ということになる。

リスクの意味からわかる「ノーリスク投資」

リターンが確定している投資が「ノーリスク投資」

上で書いたことを踏まえると、「ノーリスク投資」の意味もよくわかる。ノーリスク投資は、リターンが確定している投資。「一万円投資したら、0.2%くらいの金利は受け取れるよ」という感じで、リターンが確定している投資。

リスクがないというのは、リターンが確定していること。「一万円投資すれば、~のリターンがある」というのが投資する前から決まっている投資のことを、ノーリスク投資を言うことになる。

ノーリスク投資に魅力を感じることができるか

ノーリスク投資は、多くの人が魅力を感じないと思われる。一般的なノーリスクの投資対象と言えば、「国債」くらい。知っての通り、国債の利回りなんて大したことがない。

最近はマイナス金利も導入されて、どうも明るい話が出てくるようには思えない。優良企業の株式のほうが、配当利回りずっと高いし。

リスクを嫌う人は多く、ノーリスク投資を目指す人も多いのかもしれないけど、現実のノーリスク投資というのは、銀行預金の利回りとほとんど変わらない。これに魅力を感じる投資家が多いとは、到底思えない。

「まぐれ」から学んだリスクの間違った見方

90%以上の確率で勝てるから何だと言うのだ

「まぐれ - 投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか」という本が僕のバイブル。この本からは多くのことを学んだ。確率の考え方とか、現実の「結果」の考え方とか。

その中で特に印象的だったのは、「期待値」の話。「まぐれ」で取り上げられていたのはオプション取引の話。何でも、オプションというのは、90%くらいは権利行使されないものらしい。

つまり、オプションの「売り手」になれば、90%くらいの確率で勝てるという仮説が立てられる。そういう「勘違い」をしている人が多いとか何とか。

期待値を知らないで吹き飛ぶ

ここで、期待値の話が出てくる。オプションの売り手が90%勝てるとは言っても、一階の利益額はそんなに大きくはない。

そして、90%の勝率があるということは、残り10%くらいは負けるということ。そして、その負けの金額がハンパじゃなく大きいらしい。資産が全て吹き飛んでしまうくらいの。

勝てる確率だけで言えば、オプションの売り手は「競争優位」のポジションにいるように見える。でも、稀に負ける。そして、負けたときの金額は尋常じゃないくらいの金額になるので、オプションの売り手が抱えているリターンの「期待値」はかなりのマイナスということ。

期待値がマイナスの勝負を続けていれば、その確率論に従って、やがて吹き飛んでしまう。この話、特に面白かった。

ブラックスワン的な問題

「まぐれ」の中では、こういうのを「黒い白鳥問題」と呼んでいた。いわゆる「反証主義」。「白鳥は白い」という常識は、黒い白鳥が見付かった瞬間に否定されてしまった。そういうやつ。

安全だと思っていても、「黒い白鳥」に出会った瞬間に全てが覆されてしまう。投資をするなら、気を付けたい概念である。

「まぐれ」はかなり勉強になった

ウォーレン・バフェットの本以上に衝撃を受けたのが「まぐれ」。リスクとか考えているとき、これほど勉強になった本は他になかったように思う。投資をするなら、絶対に読んでおきたい本だと思う。

統計から考えるリスクに意味はない気がする

リスクと統計データ

胡散臭いセールスでも、そうじゃないセールスでもたまに耳にする「統計的には」というあれ。株のテクニカル分析のセミナーでも聞いたことがある。

「統計的に考えると、これで勝てます」みたいなあれ。あれについて思うこと。

統計学を学んで気付いたデータの弱点

統計学を学んでいるとわかる。統計データというものは、あくまでも「過去のデータ」でしかないということを。

投資でも使われる。過去の利回りからデータを算出し、リスクの範囲を平均とか標準偏差とか使って表すあれ。あれって、あんまり意味ない気がしてる。

そういうデータは、あくまでも「今まではこうだった」というだけの情報であり、未来を語るものではない。投資を勉強しまくって気が付いた。「将来を予測することなんてできない」と。これから何が起こるかなんて、基本的にわからない。

ブラックジャックのカードカウンティングみたいに、「決められた環境の中でのデータ」でもない限り。

標準偏差が何を教えてくれるのか

平均に対して、「これくらいは誤差の範囲内だよ」というのが標準偏差。投資対象の利回りから標準偏差を計算すれば、「この投資をすると、これくらいの損や利益が許容範囲ということだった」というのを教えてくれる。

「だった」だけだと思う。過去のデータは、やっぱり過去のことしか教えてくれないんだと思う。

僕たちはスペシャルな予言者にはなれない

株式市場とか為替市場みたいに、様々な要因が複雑に絡み合っている世界では、確率を使って「予言」みたいなことはできないと思っている。

僕なんか、明日何が起こるかなんてわからない。それなのに、もっと複雑な市場の将来に何が起こるかなんて、皆目見当もつかない。預言者気取りで、どっちとも取れるような発言をして、起こった後にもっともらしい理屈をつけるのはできる気もするけど。

僕たちの世界は、トランプよりもずっと複雑だ。予言者気取りで何をやるのも悪くない。それが現実的に役に立つのかは、甚だ疑問である。純粋な人を集めて商材とか売り付けることはできるかもしれないけど。

リスクのないところに成功はない?

マクドナルド創業者の自伝を読んで

マクドナルドの創業者であるレイ・クロックの自伝「成功はゴミ箱の中に」で語られていたリスクに対する考え方が好き。もう手元にないから正確な文章は引用できないけど、確かこんな感じだった。

リスクのないところに成功はなく、したがって幸せもないのだ

本当はもっと長かったんだけど、忘れた。後は、確か、「成功するには、リスクを積極的に受け入れるべきだ」みたいな感じだった気がする。

僕はリスクが大好きである

レイ・クロックの影響もあるし、統計学を学んだりした結果でもあると思う。リスクがないと面白くない。「リスクマネジメント」という便利な言葉がある。あれを投資で実現したりすればいいと思ってる。

リスクがないところには、高いリターンもない。いろいろ調べてそう感じた。高いリターンがないのなら、投資なんて面白くない。だから、リスクのない投資なんて僕は求めていない。「ランダム性」をある程度大事にしている。

よく言われる「ゼロサムゲーム」という仮定について

ゼロサムゲームが成立するとした場合

市場に参加すると、最終的にはプラマイゼロになるという仮説。ゼロサムゲーム。投資をしているなら聞いたことくらいあるはず。

もしも、この仮説が本当だったとするなら、株とかFXでは通算では絶対に勝てないということになる。証券会社に手数料を払うことになるんだから、ゼロサムゲームが成立するのなら、丁度手数料分だけ負けるんじゃないか?という仮説が立てられる。

ランダム性を考える

ゼロサムゲームが本当だとしても、「ランダム性」は無視できないと思う。回帰する平均が「ゼロ」だとしても、丁度「ゼロ」の地点で投資人生を終えるとは到底思えない。

つまり、完璧なゼロサムゲームは存在できず、「ランダム性」は結局残るのではないか?という勝手な仮説。独り言なので、あしからず。

平均に回帰するという話

「敗者のゲーム」で語らえていた「全てのものは平均に回帰する」という話。敗者のゲームでは「だから市場平均と連動するインデックスファンドを買うべき」という結論だったけど、平均に組み込まれていない銘柄を買ったらどうなるのだろう?とも最近思っている。

「やがて平均に回帰する」と言われても、その「やがて」がいつ来るのかはわからない。もしかしたら、平均に回帰しないまま終わってもおかしくはないのではないか?

「まぐれ」的に言うと、それこそ「まぐれ」ということになるんだろうけど。

リスクは奥が深すぎる

そんなわけで、リスクというのは、考えれば考えるほど面白い。リスクはある程度はコントロールできるはずなので、そこを追求するのも面白いと思っている。

リスクの意味は単純。それを扱うのは奥が深いといったところかな。「リスクは悪いもの」だとは僕は思ってないので、こんなにリスクを愛しているのかもしれない。

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