「資産運用の時代だ」とか「貯蓄の時代から、投資の時代になった」とか言われますけど、これはただの営業文句であって、そんな時代は来てません。来てるとしたら、手数料欲しさに投資信託や保険などの売り込みをする業者が増えた時代って感じ。意味不明なキャッチコピーに惑わされて大事な資産を失う人も少なくないのが現状。
お金の増やし方ってどういうものなのか?資産運用ってどういうものなのか?僕が知っていることを晒してみます。
上手なお金の増やし方をするには
増やすお金を作れないなら始まらない
お金の増やし方とか資産運用とか考える前に、貯金ができない人は何も始まらないんですよね。お金を増やすんだから、「増やすお金」を作らないと!まずはそこからでしょうよ。しかも、借金で作った資金はダメ。失敗してしまうと、借金の返済が大変になるし、借金の利息が投資の利回りを圧迫してしまうので、いいことなし。お金を貯められないなら、資産運用は始まらないのが実状。
お金の使い方、考え方
お金でお金を作ることができる。これは事実。お金っていうのは、「何かを買う」ってだけじゃないんですよね。稼いで、使って、貯めるだけじゃない。お金からお金を生み出すことも可能。そのために、「お金を使う」っていう選択肢の中に、「お金を手に入れる為にお金を使う」っていう考え方を取り入れる必要が出てくるわけなんです。お金を増やすには、「いかに資金を捻出するか」ってところが大事だったりします。
上手なお金の増やし方|資産運用の種類
「貯蓄」と「投資」という選択肢
資産運用には、「貯蓄」と「投資」の2種類があります。貯金している人が「資産運用したい!」とか言っていても、既に資産運用していることになっているんですよね。面白いことに。まあ、順番的には、「貯蓄」がどう考えても先です。貯蓄できるからこそ、「投資」という選択肢があるわけで。
上手なお金の増やし方|浪費と消費と投資の違い
浪費とは何か
いろんな意見はあるけど、この言い方がわかりやすかったので紹介。
要は、「無駄遣い」ってやつです。ただ、この無駄の基準は人によってかなり違うし、「これが絶対だ!」というものもないので、自分なりの基準を持つことが大事かと。
消費とは何か
上の感じで消費を表すと、こうなります。
僕個人の見解としては、「生活費などの必要な出費は消費で、それ以外の無駄遣いは浪費」ってところ。これも曖昧なもんで、生活費を必要以上に使いすぎたら浪費になるだろうし、娯楽も多少は必要だから消費になるだろうしって感じで、いくらでもツッコミは入れられます。
このように、消費と浪費の違いはかなり曖昧。次の「投資」の考え方だけ覚えておけばいいかと。
投資とは何か
投資は、こういう感じになります。
「100円払ったら、110円手に入る」のような取引。これを投資と言う。これだけ覚えておけば大丈夫です。ちなみに、投資にもいろいろあるので、いくつか書いておきます。
金融商品などを買う投資
世間一般的に「投資」と思われているもの。株式を買ったり、債券を買ったり、不動産を買ったりして、支払った金額を超える価値を手に入れる。
この概念で行くと、「ぶっちゃけ、どうなるかわからない」という感じの株の売買やFXなんかは、投資じゃないことになる。まあ、あれらは投機というのが正しいので、当たり前か。
人や物に行う投資
仕事の効率を上げる為に新しい機械を買うのも投資になる可能性があるし、お金を出して人材を雇うのも投資になる可能性がある。
広い意味で言えば、ビジネスは多くの投資の上に成り立っているとも言える。気がしている。これも、ケースバイケースなんだけど。
自己投資という投資
例えば、必死に勉強して、お金になる資格を取って、稼ぐ。これができれば、勉強の為に使ったお金は、「投資に使った」ということができる。
ただ、何でも自己投資にしてしまうと、それを言い訳に無駄遣いしてしまうこともあるので、「お金」を中心に考えたほうが無難です。
「投資」と「投機」の違いはかなり重要
たまに、株を売買するだけのマネーゲーム、FXのようなマネーゲームを「投資」と思っている人がいます。というか、ほとんどの人はこの違いを理解してません。前に本で分かりやすい表現を見付けたので紹介。
投機は、お金を奪い合うマネーゲーム。投資は、新しく生み出された富を受け取るもの。
株の短期売買とかFXとかは、ゼロサムゲーム(平均するとゼロに回帰する)です。だって、市場でお金を奪い合っているわけですから。これの面白いところは、投機がゼロサムゲームだとすると、平均に回帰したときに、手数料のようなコストで「平均で」損をするということ。新たな富を受け取る投資は、例えば、株の配当や債券の受け取り利息。配当は、企業が生み出した利益の還元。債券の受け取り利息は、お金を貸したことで得られる富。この違いは覚えておいたほうがいいです。絶対!
ちなみに、世界有数の投資家、ウォーレン・バフェットが語った「投資と投機の違い」はこんな感じです。
あなたが投機家なら、株価がこれからどうなるかを見るだろう。あなたが投資家なら、企業がこれからどうなるかを見るだろう。
-
投資と投機の違いって何?投資とギャンブルの見分け方
投資をやっていないと縁もゆかりもないであろう「投機」という言葉。投資をやっているといつかめぐり合う「投機」という言葉。経済系のニュースで「投機マネーが ...
投資のリスクをどうするのか
株式っていうのは、数年という長期で持たないと投資にならないと言われてます。短期売買は、市場の「ノイズ」の影響を強く受けるので、ただの投機にしかならないと。ただ、株で投資を行っても、値下がりリスクや上場廃止リスク、倒産リスクなどは付いて回る問題。債券にもデフォルトのリスクがあるし(経済大国の国債なんかは、紙幣を発行すればいいので「絶対にデフォルトしない」なんてことも言われますけど)。不動産投資でも、店子が入らないと家賃が入らない。FXなんていうのは、「ロスカット」というシステムがあるので、長期的に金利差(スワップポイント)だけ貰おうというのは難しい。
-
リスクの意味とは?投資をするなら絶対に知っておくべきこと
投資をやっていると、やたらと「リスク」という言葉を目にする。リスクの意味とは何なのか? 統計学の勉強をしたり、証券アナリストの勉強をしているうちに、リ ...
投資にはリスクが付き物です。「リスクが怖い」って人もかなりいるので、怖い人は投資なんかに手を出さないほうがいいと思います。
上手なお金の増やし方と注意点と現実
「株価10倍になった」とか「FXで3億円儲かった!」なんて話を聞くと、「投資(投機)ってすげえ!」って思うかもしれませんけど、実際はそんなに凄いものじゃありません。平均年利25%で運用できればかなり優秀な部類です。世界最高クラスです。10倍なんてとんでもない!短期的に見れば「2倍!」とか「10倍!」とかあってもおかしくないですが、平均すればみんな、平均に帰ってくるもんなんですがな。
リスクを嫌う人におすすめのお金の増やし方
リスクが少なく、安全性の高いお金の増やし方の例として、「国債投資」や「定期預金」などがある。
-
リスクが少ない投資|ほぼ確実で安全にお金を増やす方法
ほぼ確実にお金を増やす方法とは、「リスクがない投資(リスクが少ない投資)」のこと。そして、限りなくリスクが少ない投資に分類されるのは、安全性が高いと言 ...
株式投資はどうなの?
この本では、「高配当戦略」などの様々な戦略が語られていますけど、日本やアメリカ、ヨーロッパなどのかなり暗い未来が語られていたりもするので、少しテンション下がります。
-
株式投資(現物)のメリットとデメリット、リスク
現物の株式取引は、証券会社からお金を借りて株の取り引きをする信用取引ではなく、手持ちの資金で株の取引きをするものを言う。 株式投資のメリットとは キャ ...
投資信託、個別株投資の真実
投資信託は、プロが株とかで運用してくれるもの。それを自分でやるのが個別株式投資みたいなもの。投資信託には手数料などのコストが掛かる。自分を買うにも、証券会社の手数料が掛かる。で、知りたいのは「何を買えばいいの?」ってところですよね。まあ、別に好きなのを買えばいいんですけど、面白い話があります。
「敗者のゲーム」っていう本によると、「投資では負けないことが大切」だと。勝つことじゃなく、「負けないこと」。投資っていうのは、市場に参加している限り、長期的に見ると「市場の平均に回帰する」と。バフェットやピーター・リンチのような優秀な投資家集団を集めても、その結果は市場平均そのものになると。だから、市場に勝とうとするのではなく、市場から乖離しないようにすることが大切なんだと。だって、「平均に回帰する」んですもの。勝てないんですもの。長期的に見ると。だから、「負けないこと」が大事なんだとか。
結局はインデックス投資ファンドか
「敗者のゲーム」では、「だから、インデックスファンドを買え」としきりにアドバイスしてきます。これって、バフェットの「インデックスファンドを買うべきだ」というアドバイスとも一致する結果。投資信託(ファンド)には、「インデックスファンド」と「アクティブファンド」があります。インデックスは、平均運用。例えば、日経平均連動型インデックスなら、日経平均株価と全く同じ編成をして、同じ結果を生み出す。アクティブファンドっていうのは、プロの投資家(投機家)が自分の腕を売りにして、平均に勝とうというファンド。ちなみに、アクティブファンドのほうがコストが高い。
-
インデックスファンドによるインデックス投資がおすすめされる理由
そもそも投資信託とは何か 投資信託(ファンド)とは、簡単に言うと、「いろんな投資家からお金を集めて、代表者がそのお金を運用するもの」という感じ。投信な ...
REIT(リート)を買うのはどうか
REIT(リート)とは、「不動産投資信託」のことです。
インデックスファンドのような投資信託は、投資家から集めたお金で、株式などに投資する。REITは、不動産に投資する。それだけの違いです。
REITも、ネット証券で買うことができます。悪くないけど、イマイチおすすめはできないかも。
バークシャー・ハサウェイの株
ウォーレン・バフェットの会社、バークシャー社。株式投資の未来では、「バークシャーへの投資もいいのでは?」というアドバイスもしています。
-
バークシャー・ハサウェイの株式を購入する方法
世界一の投資家ウォーレン・バフェットと、その相棒チャーリー・マンガーのタッグが有名な投資会社(保険会社?)バークシャー・ハサウェイ。 バフェットのこと ...
不動産投資ってどうよ
僕的には専門外の「不動産投資」ですが、「金持ち父さんシリーズ」の本の中ではかなり推されている存在。不動産を買い、家賃収入を受け取るっていうシンプルなもの。不動産は基本的にローンで買うことになるので、その返済や修繕費のようなコストよりも、家賃収入が多いように契約するのが肝みたい。ワンルームマンション投資というのも流行ってるみたいです。株式市場のように「市場」に左右されないのがいいのかな。やるなら、勉強してから臨んで下さい。
起業するのはどうか
金持ち父さん流。
「ビジネスオーナーになって、自分が働かなくてもお金が流れてくる仕組みを作れ」というアドバイス。
上手にお金を増やす為に大切なこととは
確率的に増やしやすいことをやろう
参加したら、通算して負ける投資。参加者が平均的に負ける投資。こういうのは、確率的に勝てませんよね。勝てるとしても、たまたま。そんなことしてたら、運任せになってしまいます。
そして、たまたま勝てるのは、意外と自分じゃなかったりするんですよ。
リスクの高いことはしないほうがいいかも
これは、好みです。僕なんかは、リスクがあるようなことを普通にします。リスクはコントロールしてますけど。
確実にやってたほうがいい
定期預金とか、国債投資。この辺は、ほぼ確実なお金の増やし方です。利回り低いですけど、それでもいいんですよ。10年かけて株で10万円損するのと、10年かけて定期預金で1000円手に入れるの、どっちが儲かってますか?もちろん、後者ですよね。一時的な利益に振り回されるのも悪くないですけど、どうせなら、ちゃんとお金を増やしたいじゃないですか。
確実に、多く増やす
国債が不満なら、もっと利回りの高い、安定してそうな企業の社債を買うという手もあります。自分が口座を持っている銀行の定期預金の利回りが不満なら、もっと利回りのいい銀行を探せばいいんです。
まだ、怪しげな情報に踊らされますか?
増やすお金をしっかり増やす
要は、貯金しようってことです。増やすお金がないと、なかなか増えないのがお金。10万円を年利1%で一年間運用するのと、100万円を一年間運用するのでは、利益に10倍の差が出ます。
これを複利で考えると、もっと差が出る。増やすお金は、多いに越したことはありません。お金増やしたいのなら、まずはちゃんと貯金するべきなんです。
まとめ|上手なお金の増やし方
お金の増やし方で大事なのは、「不測の事態」で吹き飛ばないようにすること、負けないようにすることあたり。不測の事態っていうのは、「安全」って言われていた市場が大暴落して資産を失うみたいなやつ。「まぐれ」っていう最高に面白い本では、「黒い白鳥問題」について語られてます。要は、「安全だと思っていても、一瞬で吹き飛ぶこともある」ってこと。安定して勝てているようでも、確率的な「期待値」の中では負けていたり、一回の「たまたま」で吹き飛ぶようでは、退場するしかなくなると。
資産運用では、何があるかわからない。「今好調ですから」と言われても、これからどうなるかわからない。先の見えない戦い。そして、平均すると、莫大なお金が手に入るわけではないのが資産運用。夢を見ているなら、それは危険信号かもしれませんよ。
-
一生お金に困らない人の生き方を身に付ける為に必要なスキル
一生お金に困らない人になる為のスキルは意外と単純 「お金に困らない人」とは、どんな人だと思いますか?かなりの収入がある人?莫大な貯金がある人?節約上手 ...