アパレルの販売をやっていたとき、「どうやったら客単価が上げられるのか」というのを考え、いろいろ試行錯誤したことがあります。
その中で役に立ったのが、「行動経済学」の知識。行動経済学は、お金の心理学みたいなものです。
物を売るには、お金を払ってもらわなくてはならない。その中で、どうやったらもっとお金を払ってもらえるのか。大事なのは、「金銭感覚」でした。それが、僕が出した結論。アフィリエイトをする上でも、意外と役に立ってます。
営業、接客と、お金の問題
客単価を上げるための心得みたいなもの
客単価を上げるには、お客さんが考えてきている「予算」を「えいっ」と少し飛び越えてもらうのは、まず大事。人は、合理的に行動しているというよりも、行動をした後で、思考で行動を合理化(正当化)しているので、これはやればできなくもない。
後は、予算が高めのお客さんに、無駄に安いものを提案しすぎないこと。これは、大きな客単価ダウンになるので、気を付けたい。
お金の話は、聞かれたら出すくらいでいい
これ、ダメです。最初に予算を聞いたり、「一万円ですよ~」という話をすること。お金でスタートしてしまうと、その後はスムーズではあるんですけど、逃げ道だと思うんです。やっぱり。
それよりも、何が欲しいのか、どういうものが欲しいのか。こういうのをひたすら聞き出す。どういうことをしていて、どういう場面で使いたいのかとかも。
それで、お客さんから予算の話が出れば、仕方ない。予算の話が出ないのなら、普通に「これかな」とマッチするものを提案してあげる。
商品を気に入ってもらえれば、多少高くても買ってもらえる
お金の話が出なかったら、お客さんが欲しい物をどんどん提案してあげる。試してもらう。必要なものが多ければ、「これ、個人的におすすめです!」みたいに、絞って提案する。そして、とにかく商品を気に入ってもらう。
まずは、気に入ってもらうことに注力しましょう。予算がそんなに高くないお客さんは、その合間にちゃっかり値段を見ているものです。気に入ってもらい、クロージングするあたりで、「そういえば、値段これくらいですけど・・・」という展開でも、何とかなることもあるんです。
客単価を上げるために使える行動経済学
行動経済学を学ぶことから気が付いた
行動経済学なんて書くと難しそうに見えるかもしれませんが、そうでもありません。読みやすい本にまとめられているものもありますし、かなり実用性の高い分野なので、面白いです。
僕が読んだのは、この本。専門用語もほとんど出てこないので、初心者でもサクサク読み進められます。
「アンカーの価格」に注意せよ
「予想どおりに不合理」は何かと勉強になったんですけど、特に面白かったのがこれ。「アンカーの価格」とかいうやつ。
例えば、最初に買ったパソコンが4万円だったとします。すると、10万円のパソコンを見ると「高い!」と感じる。
逆に、最初に10万円のパソコンを買うと、4万円のパソコンが異常に安く感じてしまう。誰しも、こういう「アンカー(いかり)」的な金銭感覚を持っているそうな。
自分の金銭感覚なんて無視してオッケー
これ、接客するときにかなり大事なことです。自分で「高い!」と感じてしまう値段でも、お客さんにとっては、そうでもないことが多々あるんです。
だから、高いものでもさりげなく提案しているのは大切。「さりげなく」ですよ。あんまり高いのを推してしまうと、魂胆が丸見えですから。
そこは、「これ、着やすいですよ~」みたいに言ってみること。値段の話はしない。お客さんがそれに乗ってくれれば、「あ、やっぱこれくらいはするよね~」みたいに、勝手に納得してくれます。
お客さんの金銭感覚は、提案しているうちにわかる
とにかく、気に入ってもらえそうなものを提案する。それも、いろいろな価格帯で。これ、ちょっとやるだけで、「あ、このくらいまでは買ってくれるな」という感じで、お客さんの金銭感覚がわかってきます。
人は、自分の感覚でしか世の中を見ていないと言いますけど、正にその通り。自分の金銭感覚に囚われていると、客単価を下げる提案をしてしまう可能性が高いんです。
もう一つ、使えるテクニック
「予想どおりに不合理」にも書いてありますし、一般的にも言われているテクニック。
人は、「安い商品」「中くらいの値段の商品」「高い商品」を並べられると、高い確率で「中くらいの値段の商品」を選ぶんだとか。
軽い心理的テクニックなので、上手く使えば、客単価アップに繋がるかも。ただ、「気に入ってもらう」とか「満足してもらう」というのを重視したい営業マンには、あんまり向かないやり方。
お金を稼ぐために使える考え方
この「金銭感覚」の話は、アフィリエイトなどでも応用できます。自分では、「こんなの、高すぎて売れないよ」という商品でも、値段を気にしないターゲットを狙ってみれば、意外と成約することもある。
お金を持っている人は、持っているんです。世界は、広い。自分の物差しで世の中を判断してしまうと、機会損失になってしまうこともしばしば。
客単価を上げたい、売上を上げたい。そういうとき、「視野を広げてみる」というのも、大事になるんだと思います。