「結婚なんてしたくない」とまではいかないけど、「結婚なんてしなくてもいい」と思っていた。僕の両親が、しょっちゅうケンカしていたからだ。
実家にいた頃、父親の怒鳴り声が家中に響き渡ることが多くて、早く家を出たかった。そんな両親を見ていて、「こんなことになるのなら、結婚なんてしなくていいじゃん」と、子供の頃から感じていた。
でも、僕は昨年、結婚した。まだまだ新婚だけど、実際に結婚して思ったのは、「夫婦の形は人それぞれで、全く違うもの」だということ。
これは最初に書いておく。
誰かの意見に振り回されることも、最悪なケースを目撃して結婚を敬遠する必要もない。大事なのは、自分自身。結婚がどういうものかなんて、人それぞれ。やってみないとわからない。
僕が結婚に至った経緯を簡単に
嫁とは職場で知り合った
出会った当時は、お互いに相手がいた。出会ったときは、特に何も感じなかった。「ちょっと怖い人かな」くらいに思っていた。後に聞いた話だと、出会った頃は嫁もそう思っていたらしい。
実は、9歳差の夫婦である
出会った当時は、僕21歳。嫁が29歳。僕は7月生まれ(セブンイレブンの日)嫁は3月生まれなので、3月の嫁の誕生日が過ぎてから僕の誕生日が来るまでは9歳差になる。年齢的には、8歳差の時期のほうが長い。
出会ってからちょっとすると、お互いフリーになった
何と、同じくらいのタイミングでお互いフリーになった。でも、その時も別に意識していたわけじゃない。
職場の仲間数人で遊びに行った
職場の仲のいいメンツで、ボーリングに行った。その時、なんでか知らないけど、「今度は二人で来ようか」となった。何故かは覚えていない。その数日後、二人でボーリングデートした。
デートを重ねるようになり、告白
それから、一緒にダーツ始めたり、何度か食事に行ったりしてた。で、何回目かのデートのときに、僕から告白。
一度保留にされてからの
その時の答えは、「ちょっと待って」だった。後に聞いた話だと、年齢の問題とか考えて、迷ってたらしい。で、その数日後にデートに誘われて、「オッケー」してもらえた。
付き合って3年後くらいに同棲スタート
一緒に部屋探しして、同棲スタート。この時くらいから、一応結婚は意識するようになっていたかと思われる。
同棲してから一年半後くらい、付き合った記念日にプロポーズ
これが去年の話。同棲していても楽しかったし、不満もなかったし。時期とか年齢とか考えてプロポーズ。ホント、勢いが大事。「付き合った記念日」というのも、いいキッカケになった。
その3か月後くらいに入籍
これから先が意外と大変だった。当時は東京の中野区に住んでいて、嫁の実家は神奈川、僕の実家は仙台。しっかり休みを取らないと挨拶にも行けなかったので、予定合わせるのが大変だった。うちの親も働いてるし。
何だかんだでお互いの挨拶とかやって、婚姻届けの証人の欄にお互いの親からサインも貰って、役所に出しに行って、無事に入籍。結婚写真はすぐに撮ったけど、結婚式はもうちょっと先の予定。
嫁の実家の近くに引越し、新しい生活のスタート。現在に至る
嫁の両親はそこそこの年齢なので、嫁の希望で神奈川に移住。嫁の実家の近くに現在は住んでいる。
前置きが長くなったけど、ここから、僕が感じている結婚するメリットについて。
「家族」ということを意識するようになる
要は、もっと大事にするようになったということ
結婚しても、劇的な変化があるわけじゃなかった。結婚してから同居だったらもっと意識の変化とか生活の変化とか実感できたんだろうけど、結婚前から一年以上同棲していたので、環境とかの変化はなし。なので、「劇的に」というわけではなかった。
でも、気持ち的に変化は起こった。嫁をもっと大事にするようになったと思う。まあ、もともと大事にしてたけど。
役所的な手続きだったけど、それでも気持ちが切り替わる
役所に婚姻届け出すとき、なかなか事務的で「これがそうか!」と思った。僕たちの受付をしてくれたおじさんはフランクなほうだったので、まだ良かったと思う。「おめでとうございます!」と笑顔で言ってくれたし。
でも、やったことは事務的。なんか、転入届出すみたいな感じだった。それでも、「入籍した!」という事実で、気持ちは切り替わった気がする。
苗字が一緒になるのっていい。戸籍が一緒になるのも悪くない
ホント、小さなこと。小さなことでも、「家族になった」という証明があるのは、嬉しい。嫁のこと、一層大事に思うようになった。
一緒にいられるという安心感
同棲してたのでもともと一緒にはいたんだけど、結婚したことによって「ちゃんと一緒にいられる」という安心感が生まれた。上手く説明できないけど、そういうこと。
結婚したら思いのほか祝福してもらえた
友達や知り合いからお祝いの言葉や品が続々
全然見てなかったFacebookに「妻」の登録をしたら、物凄い祝福の言葉が来ててビビった。その後もFacebook見てなかったので、気付いたのちょっと先だったけど。
他にも、LINE貰ったり、会った人から祝福されるというのは、多かった。プレゼントもたくさん貰えた。余談だけど、結婚祝いでマグカップをあげるのは、本人たちに聞いてからのほうがいい、。いきなり渡すと、高確率で誰かとかぶる。おかげで、うちにはペアのマグカップがそこそこある。
あと、遠方に住んでいる友達がわざわざプレゼントを郵送で送ってくれたりして、かなり嬉しかった。感謝。
お互いの両親からの手厚い贈り物
お互いの両親は、「お金」という手厚い贈り物をくれた。全く期待してなかったけど、結構な金額をくれた。衝撃と、感謝。
会社から結婚祝い金を貰えたりもした
申請すると、会社から結婚祝い金がもらえた。今ではお互い別々の会社だけど、両方の会社から祝い金貰えた。結婚したら、確認してみるといいかも。
将来の話をどんどんすることができる
「結婚していない」というプレッシャーから解放
結婚していない状態だと、結婚関連の話をするのにビビっている自分がいた。結婚すると、将来の話がどんどんできるようになったのは、大きな変化。
結婚してしまうと、何でも話せるようになる
「結婚していない」という状態だと、「結婚していない」というプレッシャーがあった。結婚して何でも話せるようになると、将来の夢も膨らむ。
かなり仲良くやっていけている
ほとんどケンカなんてしない
僕たち夫婦、付き合っている頃から数えても、ほとんどケンカをしていない。他の人たちが「彼氏とケンカした」とかいう話をするのを聞いていると、「うちは大丈夫なのか?」と思うこともあった。
でも、「お互いの相性がいいんだ」と思うようにしている。「ケンカするほど仲がいい」なんてこともない。だって、仲が良すぎるからケンカしないのだもの。
実家での教訓が活かされてると思っている
両親がケンカばかりしていたので、子供ながらに「オレは優しくなってやる!」と誓っていた。今思えば、あの時の誓いをちゃんと守っているのかもしれない。無駄に嫁を傷つけることなんて、したくない。
周囲も認める仲の良さ
僕たち夫婦の話を友達にすると、「仲良いね」とよく言われる。僕からすれば普通のことなんだけど、その中に「仲良く見える要素」がある模様。
神奈川に引っ越すために新居を探した時も、不動産会社の人から「仲良いですね!」と感心されてしまった。僕も思う。嫁と僕は、かなり仲良し。
いわゆる「バカップル」なんだと思う
家にいるときの二人のイチャイチャっぷりは、他人には見せられない。たぶん、相当なバカップルに見えると思う。
家事の分担なんかもしっかりやっている
これも、仲良しの秘訣かも。共働きなので、家事はどっちもやっている。僕は一人暮らしが長かったので、料理から掃除まで、何でもできる。お互いちゃんと家事できるので、上手く分担できているんだと思う。
更に子供が欲しくなった
僕はもともと子供が大好き
何故だか知らないけど、子供が好き。他人の子供を見ていると、子供が欲しくてたまらない。
子供を持つという夢
安易に持つものでもないので、覚悟は必要だと思ってる。でも、そういう夢が現実的になるのが、結婚の醍醐味の一つなのかもしれない。
結婚のデメリットは何なのだろうか
自由がなくなるのは仕方ないけど
友達とかと気軽に遊びに行けなくなっている気もするけど、嫁は「行ってきなよー」とよく言うので、そこまで不自由は感じていない。嫁との時間も大切にしつつ、たまには友達も大切にしている。
そういえば、僕はもともと自由を愛する人間。そんな人間でも、結婚に踏み切った。愛の力は、恐ろしい。
大きなお金を使う機会が一気に増える
指輪買ったり、また指輪買ったり、引っ越したり、結婚式したり、写真撮ったり、旅行行ったり。結婚というイベントの周囲には、お金の臭いがぷんぷんする。
結婚式はまだしてないけど、それでもかなりお金使った気がする。子供が生まれたら、もっと大変そうだ。
結婚してみると、ほとんどデメリットは感じない
とか書いてみたけど、実際のところ、デメリットなんて感じていない。結婚したくてしたんだから、デメリット云々の話じゃないと思う。結婚したければ、すればいい。そういうことなんだろうと。
僕の場合、「結婚して良かった」と思っているということか
両親の件もあったし、あまりいい話は聞かないしで、「結婚」というものにあまりいいイメージを持っていなかった僕。それは、食わず嫌いだった。実際にやってみないと、自分がどう感じるのかなんて、わからない。
それに、「結婚」でくくるのが間違っていて、「誰と一緒になるか」の問題なんだと、最近は思っている。
新婚なので、これから何が起こるのやら
とは言え、まだ結婚してから半年が過ぎたばかり。死ぬまで一緒にいると考えると、単純にあと50年は一緒にいることになる。長すぎる。想像もつかない。これから何が起こるのか、起こってみないと、わからない。
それが不安でもあり、楽しみでもある。
一緒にいれば「愛」は育まれるのかもしれない
最後に、僕の両親の話を少し。
僕の父は、嫁と付き合い始めた翌年に亡くなった。一月に、妹から「お父さんが癌で入院した」と連絡が来た。かなり痛みを我慢してたらしく、最早手の施しようがないと医者が言っていた。
そして、その年の5月に、父は息を引き取った。連絡を受け、仙台の実家に帰った僕。
その日の夜、あんまり眠れず、夜中に起きた。すると、父の前でひっそりと座り込んでいる母を見かけた。
あれだけケンカしていても、両親の間にも「愛」があったんだということを、その時初めて実感した。
結婚とは、何なのだろうか。単なる「メリット、デメリット」の話じゃないのかもしれない。