「ポイント還元!」ばかりが注目されていて、知らない方もいるかもしれない。クレジットカードには、「付帯保険」というもう一つの魅力があるということを。
現金を使わなくても買い物ができる。分割払いにもできる。カードの支払いによってポイント還元を受けることができる。簡単にお金を借りることができる。
クレジットカードのメリットとしては、この他にも「旅行保険やショッピング保険が付帯される」というものもある。カードによっては他にもあるけど。
空港のラウンジが無料で使えたり、海外旅行のサポートを受けられたり、各種割引特典があったり。
ここでは、そんな中でも「クレジットカードの付帯保険」について触れてみることに。
旅行中の「まさか!」を補償してくれる国内・海外旅行傷害保険
海外旅行に必須の海外旅行傷害保険
海外旅行に行くとき、掛け捨ての保険を掛けるのが基本。その保険に似たような保険が、実はクレジットカードにも付帯されている。全部のカードに付帯されているわけじゃないし、カードによって補償内容がかなり違ったりもするけど。
また、「旅行代金をクレジットカードで支払った場合のみ適用」みたいな制約があったりもする。「クレジットカードを持ってれば安心!」じゃなくて、自分のカードにどんな保険が付帯されているのか確認しておいたほうがいい。
どんなことが補償されるの?
よく前面に押し出されているのが、「死亡、後遺症障害」の部分。個人的には、ここはあまり大事じゃないと思ってる。そんなものよりも、「海外旅行中に病気になって治療しないといけない!」とか「ケガした!治療しないといけない!」とかで掛かった費用を補償してくれるほうが重要だと思う。
その他にも、「誰かにケガをさせてしまった!」とか「ホテルを壊してしまった!」なんてときの 賠償責任を補償してくれたり、「持っていたものが盗まれた!事故で壊れた!」なんてときの補償もしてくれたり。
国内旅行傷害保険が付帯されるカードも
そんな旅行傷害保険だけど、海外だけじゃなく、国内旅行傷害保険もある。「海外旅行保険は自動で付帯されてるけど、国内旅行傷害保険は利用付帯だよ!」というカードもあったりして、海外旅行傷害保険ほど重視されていない感じもする。
補償内容的には海外旅行傷害保険と同じ感じ。旅行中の「万が一!」を補償してくれる保険の、国内版。
クレジットカードによって補償内容や金額が違う
「死亡補償は最大2000万円、疫病治療は最大100万円」という保険を付帯するカードもあれば、「死亡補償は最大500万円、疫病治療は最大270万円」なんてカードもある。ちなみに、後者は年会費無料のエポスカード。海外旅行の話だけど。ちゃっかり自動付帯。治療費の補償は三井住友VISAカードよりしっかりしてる。
よく、死亡補償の金額をだけを取り上げて「最大2000万円」とか宣伝しているカードがあったりするけど、その中身がこんな感じで大きく違う場合も結構ある。旅行保険目的でカードを作りたいのなら、保険の全体像をしっかり見たほうがいい。
年会費が高いカードほどしっかりした保険が付帯されている傾向
プラチナカードとかになると、「死亡補償が最大1億円」なんてことになったりもする。その他の補償内容もかなりの金額を補償してくれたり。保険を付帯するにもそれなりのコストが掛かるので、年会費をしっかり払ってくれるユーザーにはしっかりした保険を付帯するってことだろう。
年会費無料の中にもそこそこの保険が付帯されているものもあるし、年会費2000円くらいでなかなかの保険が付帯されるカードもある。三菱UFJニコスの「MUFGカードゴールド」なんかは、年会費2000円くらいでもなかなかの補償内容の保険を付帯してくれてるみたい。
「利用付帯」と「自動付帯」に注意が必要
さっきから「自動で付帯」とか「利用付帯」とか自然に書いていたけど、今更ながら両者の違いを解説しておく。簡単に書けば、こういうこと。
利用付帯・・・旅行代金をそのクレジットカードで支払った場合のみに適用
自動付帯・・・クレジットカードを持っているだけで適用
こういう感じ。いくら自動付帯でも、万が一のときはちゃんと申告しないといけないのは忘れないように。
それに、「保険が付いてる」という記憶だけあって、自動付帯なのか利用付帯なのか把握していない人もいるみたいなので、その辺も含めてしっかり確認したほうがいい。コールセンターあたりが無難なのかな。ただ、カード会社のコールセンターだと、「保険のことは保険会社に聞いて」と言われる場合が多いかも。
カード会社が保険を作っているのではなく、どこかの損保会社と提携して付帯してるのが基本だから、仕方ないけど。どこの保険会社かわからないときは、カード会社に聞いてみるのが一番かな。
補償範囲の確認は必須
保険ってとにかくめんどくさい。「これ、保険で何とかなる!」と思っていたのに、いざ請求してみると「これは補償対象外です」と言われてしまうこともある。
この時、文句言っても契約書に明記してあったら勝てない可能性大。保険の制約って本当に面倒。もうちょっとシンプルにしてもらいたい気持ちもあるんだけど、今のところは「保険を気にするのなら、ちゃんと内容を知っておく」くらいしか防衛策が見当たらない世の中である。
旅行全般を補償してくれるわけでもない?
利用付帯のカードで新幹線のチケットを買った。その場合、「新幹線に乗っている間だけ」しか補償してくれなかったりする。行き先が全部決まっているパック旅行な全般的に補償してくれたりも。
こんな感じなので、補償内容はしっかり確認したほうがいい。
補償金額はここも見たほうがいい
さっきもちょろっと書いた疫病とか傷害とかの治療費補償。何でも、海外で虫垂炎(俗に言う「盲腸」)の治療をすると、300万円掛かることもあるらしい。このとき、疫病治療の補償金額が最大100万円だと満足に補償を受けられない可能性があるってことだ。
「死亡補償」が大切に見えるかもしれないけど、自分のことを本当に大事にするなら治療費補償とか損害賠償責任補償とかのほうがずっと大事な気がしてならない。
家族カードで家族にも付帯
知らない人も多いだろう。「家族カード」というカード。例えば、僕名義でカードを持っていたとすると、僕の妻にもカードを持たせられる制度。僕の妻が使った分は、僕に請求が来る。これが家族カード。年会費無料だったり、かなり安めで作れるのが基本。
クレジットカードの旅行傷害保険は、名義人本人にしか適用されないのが基本。この家族カードを持たせれば、一緒に行く家族にも自分と同じ内容の保険を適用させることもできる。
ただ、小さい子供には家族カード作れないのが基本なので、これまた制約があるわけだけど。
具体的に何があったら保険金が下りるのか
それは、以下の通りです。
- 傷害死亡・後遺障害
- 傷害、疫病の治療
- 賠償責任
- 携行品損害
- 救援者費用
これだけじゃわかりにくいので、簡単に解説します。
傷害死亡・後遺障害
旅行先で死亡してしまった場合、もしくは、事故などで後遺障害が残ってしまった場合に適用される。一般的に、ここの補償金額が一番高い。
傷害、疫病の治療
旅行先でケガをした、病気にかかった。治療費が発生した。そんなときに適用される。
賠償責任
旅行先で何か壊してしまった(ホテルの壁など)。賠償しないといけない。そんなときに適用される。
携行品損害
事故で持ち物が壊れてしまった。そんなときに適用。基本的に、自己負担額(保険がきかない金額)が3000円くらいで設定されている。
救援者費用
自分が旅行先で入院してしまった。家族がこっちに来なくてはいけない。そんな理由で渡航費が発生した場合などに適用。
保険金を出すのはカード会社ではない
本当に豆知識。この旅行傷害保険は、カード会社本体が保険金を出してくれるわけではなく、提携している保険会社(損保会社)が出してくれるような仕組みになってます。
なので、カード会社に「この保険、詳しく教えて」なんて言っても、「詳しい内容については、こちらの保険会社にお問い合わせ下さい」と返されます。
カード会社は、基本的に簡単なことしか把握してないことが多いですから。
クレジットカードで買ったものに何かあったときに補償してくれる「ショッピング保険」
補償内容はカードによって違う
ショッピング保険というのは、クレジットカードで買ったものが事故とかで破損したり、盗難したりしたときに保険金が下りる保険。これも、旅行保険と同様にクレジットカードによって金額とか適用条件とか違うので注意が必要。
個人的にはこの保険の必要性を感じたことないけど、今後役に立つことあるのかな。
買い物から90日間補償してくれるのが通常
「いつでも大丈夫」じゃなくて、「買い物から90日間は補償します」というのが基本スタイル。この「90日」というのは、どこのカードでもこんな感じ。稀にもっと長いカードもあるそうだけど、一般的じゃない気が。
海外旅行向けのショッピング保険が多い傾向
そんなショッピング保険、「海外」に強い傾向があるみたい。クレジットカードの付帯保険は、海外旅行するときに結構便利なのかもしれない。僕は海外なんてほとんどいかないけど。
国内のショッピング保険には支払い方法に制約があったり
ショッピング保険が付帯されていても、「国内では、リボルビング、分割払いの場合のみ適用」というのが多かったり。海外では一回払いでも適用する保険がほとんどなのに。
ショッピング保険の下限に注意
「50万円~100万円」みたいに、金額の低い買い物は対象外になることも多いのがショッピング保険。国内でも、「スーパーで買った卵が事故で割れたから補償して!」なんてことは叶わないわけだ。
てか、50万円以上の商品ってなんだろう。ブランド物の腕時計とかバッグとかか?
年会費無料のカードの弱点
国内でもしっかりショッピング保険を適用してくれるのは、年会費がそれなりのカードが多い傾向あり。年会費無料のカードだと、国内は「リボ限定」のような制約があることがほとんど。
ショッピング保険を申請したことがある人っているのかな?個人的にはやっぱり必要性を感じない。
だから現金よりも安全?不正利用も補償してくれる
クレジットカードを怖がる人に多い不安
クレジットカードを食わず嫌いするタイプの人に多いのが、「不正利用とか怖い」というあれ。実際にそういうニュースも流れたりするからわからないでもない。
しかし、これを知ってみると、「現金よりカードのほうが安全じゃね?」という気分にもなってくる。
実は現金よりも安心かもしれない
例えば、現金なら、財布を落として勝手に使われても、まず戻ってこない。ところが、クレジットカードなら不正利用を補償してくれる。つまり、現金とは違い、勝手に使われても返ってくる。
現金なら、盗難しても申告のしようがないけど、クレジットカードなら、盗難しても連絡すれば止められるし、不正利用があっても補償してもらえるってこと。
不正利用があったら60日以内に対応を
ショッピング保険と同様に、放っておいたら期限切れになる。クレジットカードを不正利用されて放置できる人はかなりの神経してると思うけど。
ネットショッピングは補償されないケースも?
この不正利用補償、「ネットショッピングは補償しないよ」というケースもあるらしい。「暗証番号をバレるような人が悪い」という解釈をされてしまうこともあるそうだ。
盗難防止や暗証番号の管理はしっかりと
不正利用を補償してもらえるとはいえ、不正利用されないに越したことはない。家にカードを置きっぱなしにしてどこに行ったのかわからないなんてことがないように、いらないカードはさっさと解約する。
暗証番号をクレジットカードに書いたりしない(これをやる人もいるから危険)とか、できる対策はある。クレジットカードも、お金みたいに使えるもの。防犯対策はしっかりとするべきでしょ。
飛行機が飛ばない!?というときに役立つ「渡航便遅延保険」
乗るはずの飛行機が飛ばなかった場合なんかに
こんな付帯保険もある。渡航便遅延保険。
この保険は何かと言うと、例えば「乗る予定だった飛行機が飛ばなくなった!ホテルにもう一泊する必要が出てしまった!」みたいなときに、ホテル代とか食事代に対して保険金が下りるもの。
つまり、「飛行機が飛ばなくなったせいで無駄に発生した費用」を補償してくれる保険。飛行機のチケットをカードで買うのは必須のケースがほとんど。
付帯されているカードは多くない?
この付帯保険に関しては、ゴールドカード以上じゃないとなかなか付帯されているのは見かけない。ついでに言うと、この保険にも「海外」と「国内」で別になっているもの。
飛行機を頻繁に使う人の話だと、たまに役立つらしい。僕には必要なさそうだ。
知ってれば意外と便利なクレジットカード
ポイントだけで「お得」なのではなく、こういう保険なんかで「お得」に使うことも可能。僕が持ってるエポスカードなんか、ポイント還元率は高くないけど、そこそこの海外旅行傷害保険が自動付帯だったり、持ってるだけでいろんなお店で割引券として使えたりするので、重宝している。
自分が持っているクレジットカード、ちゃんと調べてみればかなりの高性能な場合もある。ご確認を。