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まぐれ、書評。投資家が運を実力と勘違いするワケ

ナシーム・タレブさんの「まぐれ – 投資家はなぜ運を実力と勘違いするのか」という本が面白すぎるので紹介。投資をするとき、いい結果が出れば「才能」だと思う。それは仕方のないこと。でも、実際はそうじゃない。確率論や統計を基にした、投資の真実。

「まぐれ」から何が学べるのか

「まぐれ」を読むと、投資に対する認識が全く変わります。というか、社会全体の「結果」というものに対しても、本質を見るようになってきます。それくらい強烈な一冊。取り扱い注意。

投資の結果と運と実力の関係

投資ってものは、運に左右される部分が多い。何も、上手くいったからって、その人に実力があるってことにはならない。もしかしたら、たまたまかもしれない。勝率が90%の勝負を10回続けて、10回連続で負けることもありえなくはない。逆に、勝率10%の勝負を10階続けて、10回連続で勝ち続けることもありえなくはない。短期的にどこかの期間を切り取れば、こういう現象はありえる。

勝率10%とかは極端な例だけど、半分以下の勝率で勝負し続け、たまたま勝ち続けていることを実力だと勘違いしている投資家はたくさんいることでしょうね。

実力と結果の因果関係

銘柄選びの才能があるのか、それともまぐれなのか。ある人のやり方が上手くいっている。でも、そのやり方と結果に因果関係があるのか、やり方とは関係なく、たまたま上手くいっているだけなのか。この辺の因果関係を考えたり、分析しようとする人は非常に少ないと。上手くいけば、誰でも実力だと思いたい。上手くいかなかったら、「運がなかった」と思いたい。

でも、現実は思い込みで何とかなるようなものじゃない。また、短期的(数年間くらい)では上手くいっていても、期待値で負けるような投資をしていれば、大数の法則に従って、長い目で見れば負けてしまうかも。

意外と恐ろしい黒い白鳥問題

今までは上手くやってきた。では、これからも上手くいくのか?いや、そうとは限らないようです。これからもずっと上手くいくという楽観論は、個人の投資家の中でも、市場全体の傾向としても表れる。表れるけど、一度吹き飛んでしまえば、それが単なる楽観論だったと気が付く。ずっと続くことなんか難しい。歴史がそう語っているのに、人は何度だって歴史を繰り返すそうな。

「黒い白鳥」っていうのは、「FXで借金まみれになる原因。黒い白鳥、人間の心理」でも書きましたけど、反証の問題です。「白鳥は白い」っていうのは、黒い白鳥が見付かったことで簡単に反証されてしまった。立証は難しい。反証は意外と簡単。思い込みや楽観論の中には、黒い白鳥が潜んでいることが多い。

吹き飛ぶリスクを考えているか

「まぐれ」の著者のナシーム・タレブさんは、オプショントレードもやっているよう。オプションの買い手は、90%くらいの確率で負ける。でも、10%の確率で大勝する。これの期待値を考えると、マイナスではなくプラスになると。また、オプションの売り手は、90%の確率で小さく勝つけど、10%の確率で大損する。しかも、とんでもない損失。

オプションの売り手は「常に勝つ」と勘違いするけど、いつか黒い白鳥が現れて、吹き飛ぶ。とんでもない損をする。期待値を考えれば、それはわかるらしい。知らない間に、「吹き飛ぶリスク」を抱えた投資をしていないか。あなたの期待値はプラスか、マイナスか。まぐれを考え、確率論を考える。

投資を確率論と統計で考える

上手くいったから実力があるわけじゃない。損を出したから実力がないわけじゃない。勝率が高い勝負をしても負けることはある。確実なことを探すのは意外と大変。「まぐれ」という本は、投資を確率論などの観点で語り、真実を教えてくれる。また、この本で語られていることは、投資以外の日常生活、仕事などにも活きるはず。

まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのかまぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか

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